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独自の文化が作り上げた奄美大島の特産品

九州の南の海上に位置し、鹿児島県に属する南国情緒豊かな島、奄美大島。青く澄みわたる海と、真っ白な砂浜が美しい楽園です。亜熱帯海洋性気候に属し、夏の平均気温は30度を超えるものの湿度は低く、冬は10度以下に下がることはまれです。豊かな自然に生息する動植物には固有種や絶滅危惧種も多く、東洋のガラパゴスという異名があるほど豊かな生態系を持ちます。また、歴史上九州や沖縄だけではなく中国や東南アジアなどからの影響も受け、独自の文化を築いてきました。奄美大島の特産品には、このように島の風土と大陸から伝えられた新しい技術によって生み出されたものが数多くあります。

ここではそんな奄美の特産品の中から、奄美でしか製造が許可されていないという黒糖焼酎、織物の最高峰として名高い大島紬、単なる「とりめし」ではないおもてなし料理鶏飯についてご紹介していきます。


甘そうなのに甘くない!奄美にだけ製造を認められた黒糖焼酎

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黒糖焼酎という名前だけを見ると、黒糖で作られるなんてさぞ甘いお酒だろうというイメージが湧きます。しかし実際には、蒸留の過程で糖分はなくなるため、上品な甘さを残しつつもシャープでドライな味わいという意外なお酒です。

奄美群島がアメリカの支配下に置かれていた時代、余ってしまったさとうきびから黒糖を精製し、蒸留酒にすることを考えつきました。こうして生まれたのが黒糖焼酎。しかし本来であれば黒糖を原料にした蒸留酒はラム酒に分類されます。ラム酒は焼酎よりも酒税率が高かったため、奄美が日本に返還されてから「黒糖焼酎を焼酎として分類できないか」という問題が起こりました。最終的には蒸留の過程に米麹による発酵を加えること、奄美群島のみでの生産とすることを条件に、黒糖焼酎は焼酎として認められたのです。そのため、黒糖焼酎は奄美でしか製造されない貴重なお酒となっています。


世界三大織物のひとつ 大島紬

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奄美大島の特産品である大島紬(おおしまつむぎ)は、織物の最高峰と言われ、国の伝統的工芸品に指定されています。養蚕のさかんだった奄美大島では古くから織られ、江戸時代までは自家用とされていたものがその後薩摩藩への貢物となり、明治時代以降に商品として市場に出回るようになりました。絹100%、先染め手織りの平織りであることなどが大島紬の定義であり、規格も細かく決められています。

大島紬が希少、高級であるとされている理由に、まず工程が複雑であるという点が挙げられます。一般的な織物は織り上げてから染めや刺繍をほどこすのに対し、大島紬は織って染め、ほどいてからまた染めるのです。当然その技術を受け継ぐ職人も少数となっています。また、泥染めと呼ばれる特殊な染め方は、奄美大島のきめ細かい泥だからこそできるもので、深みのある独特な黒褐色を出すことができます。


お茶漬け風の郷土料理 鶏飯

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奄美群島で郷土料理として愛される鶏飯(けいはん)。全国各地で一般的に知られる炊き込みごはん風の「とりめし」とは同じ字ですが異なるものです。白飯にほぐした鶏むね肉もしくはささみや錦糸卵、しいたけ、ねぎなどの具材と薬味を好きなだけのせて、鶏ガラスープをかけるという、お茶漬けに近い料理です。元は奄美群島が薩摩藩の統治下にあった時代、藩の役人をもてなすために作られたものでした。あっさりとした味わいで1年中食べられますが、現在でもお祝いやもてなし料理として出されることが主になっています。1968年に当時皇太子であった天皇、皇后両陛下が奄美を訪れた際に鶏飯を絶賛、そこから全国的にも名を知られるようになったというエピソードがあります。

近年では少し形を変えて、ラーメンに応用された「鶏麺」をメニューにする店もあり、こちらも人気を呼んでいます。


南国の楽園奄美の特産品を堪能する

奄美大島の特産品を三品、ご紹介してきました。いずれも奄美の風土や元々根付いていた文化、自然的要素を活かし、外から取り入れた技術との融合によって特産品の地位までのぼりつめたものばかりです。黒糖焼酎の原料となる黒糖は、ビタミンやミネラルを豊富に含み、近年健康面でも注目されています。さとうきびの生産量が多い奄美では、黒糖焼酎だけではなく黒糖が活かされた特産品がほかにもあります。たとえば黒糖ピーナッツ。黒糖をピーナッツにからめるというシンプルなお菓子ですが、お酒のつまみ、お茶のおとものほかお茶漬けにかけるという食べ方もあります。

奄美では、パッションやタンカン、バンジロウといった珍しいトロピカルフルーツを楽しむことができるのも嬉しいところ。南国情緒豊かな奄美の特産品で、その風土と歴史をじっくりと感じてみてはいかがでしょうか。

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