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食べ物がおいしい以外にも、工芸品の製造がさかんな岐阜県

日本のほぼ中央に位置している岐阜県は、周囲を石川県や長野県、愛知県などに囲まれた内陸の県です。県名は中国の伝説に出てくる岐山と、孔子の出身地である曲阜から1字ずつとって織田信長が命名したと伝えられています。先史時代から人が住んでおり、古い歴史を誇る土地です。稲作や野菜の栽培、酪農が盛んで、周囲が陸地であることからアユやニジマスといった川魚の漁業が行われています。豊かな自然にはぐくまれ、食べ物がおいしい岐阜県ですが、その一方で製造業も活発です。

製造業の中には、歴史の中で培われ、現代まで続くものづくりとしての工芸品があります。県を代表する特産品としていくつかの工芸品があげられますが、それらのうちでも特にピックアップしたいのが、「関の刃物」「岐阜提灯」「岐阜和傘」の三つです。これらの工芸品について、紹介していきます。


刀祖元重から続く、関の刃物

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「関の刃物」で知られる関市は、岐阜県の中央に位置している街です。その名の通り刃物生産が盛んで、貝印株式会社やフェザー安全剃刀株式会社などの有名刃物メーカー創業の地としても知られています。現在は包丁や剃刀・ポケットナイフ・アウトドアナイフ・鋏などが作られている関市ですが、もともとは刀鍛冶を行っていました。

今からさかのぼること約700年前の鎌倉時代、九州から来たと伝えられる元重が、関市に刀鍛冶の技術をもたらしたのが、この地で刃物生産が盛んになるきっかけとなりました。その後多くの刀匠がこの地に集い、室町時代には300人を超えていたといわれています。関の刀は高い品質を誇り、やがて全国に名をとどろかせるようになりました。元重は刀祖として崇められ、元重翁慰霊祭や10月上旬に行われる刃物まつりで、その偉業を称えられています。


あかりを灯す美しい伝統工芸、岐阜提灯

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自然が豊かな岐阜には、竹が豊富にありました。その竹を骨格にして作られるのが岐阜提灯です。形は球形か卵型をしており、竹を割って細くした竹ひごをベースに、その上に和紙を貼り付けていきます。和紙は薄くて丈夫な美濃和紙を使います。美濃和紙は1300年以上の歴史があるとされる和紙で、8世紀にはすでに作られていたと伝えられています。こちらも岐阜で製造されており、その理由として原材料となる楮が多く取れたからといいます。

岐阜提灯には自然の風景や動植物などの美しい彩色が施されているのが特徴ですが、絵が摺り込みされた和紙を貼り付ける場合と、後から絵付けをする方法とがあります。竹ひごで基本となる骨を作るところから始まるどの工程にも専門の職人がいて、分業制で岐阜提灯は作られます。簡単そうでいて、複雑な工程を経て完成する工芸品といえます。


美濃和紙が彩る伝統工芸、岐阜和傘

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岐阜で1300年以上前から作られているといわれている美濃和紙。薄くて丈夫な高品質の美濃和紙を使った岐阜の伝統工芸品はいくつかありますが、岐阜和傘もそのひとつです。

岐阜で和傘作りが始まったのは江戸時代初期といわれています。寛永16年(1639年)に藩主松平光重が、現在の兵庫県から傘職人を連れて来たことがきっかけとなりました。その後下級武士たちの内職として奨励され、和傘作りは根付いていきました。

岐阜和傘の製造工程は細かく分かれており、専門の職人が何人も手をかけて1本の傘を完成させます。期間も数週間からときには数か月にも及びます。仕上げに天日干しを行い、並んだ姿は圧巻です。美しく、彩り鮮やかでデザインも豊富、見る者を驚嘆させる芸術品のよう。しかし、雨の日や日差しをよける日傘として利用可能な、実用品なのです。


岐阜の豊かな自然が作り出す、工芸品

「関の刃物」「岐阜提灯」「岐阜和傘」の三つの工芸品について紹介してきました。どれもが岐阜の豊かな自然を背景として作り出されている品々です。澄んだ水と良質な土に恵まれていたからこそ岐阜の地に刀匠たちは集い、名刀を作り上げていきました。また提灯と和傘も、大地が育てた竹や楮を使い、作られたのです。

もちろん、美濃和紙を含めたこれらだけが岐阜の工芸品ではありません。岐阜にはまだまだ誇れる工芸品がたくさんあります。美濃焼や笠原のタイル、大垣の木枡、飛騨春慶など逸品ぞろいです。岐阜県の県庁所在地である岐阜市は東京から車で約4時間の距離にあり、鉄道では約2時間で着きます。名古屋からだと電車で約20分と、交通アクセスのとても良い街です。伝統に培われた工芸品を探しに、岐阜を旅してみるのもいいのではないでしょうか。

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