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広大な土地と気候が鍵 岩手の特産品

岩手は本州の北東部に位置している東北地方の県の1つです。北海道の次に面積が広い、とても大きな県です。南北に長く、楕円の形をしています。内陸部の多くは山岳丘陵地帯、西側の奥羽山脈と東側の北上山地の間を流れる北上川流域には平野が広がります。そのため、奥羽山脈は日本海側の気候と同じで冬に雪が多く、北上高地は雪が少ない代わりに、気温が低い高原性の気候となっています。沿岸部は隆起した海岸とリアス式海岸が広がり、海洋性の気候で夏は涼しく、良い漁場となっています。岩手は土地が広大で、地域によって異なる気候であることが示すように、人々が昔から生きていくために考え、それぞれを生かして培ってきた様々な特産品が至る所にあります。
今回は、数ある工芸品の中から「南部鉄器」「岩谷堂箪笥」「鬼剣舞こけし」についてご紹介します。


 

時代に合わせて進化し続ける南部鉄器 及源

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岩手で有名な工芸品の1つ、南部鉄器。それは盛岡、水沢と2つの地域で異なる歴史を歩んできました。盛岡では17世紀に盛岡藩主が盛岡城築城の際、京都から呼び寄せた職人に茶の湯釜を作らせたのが始まりでした。水沢では平安時代末期に、近江国から鋳物職人を招き、武具や仏具を作らせたのが起源とされています。「質実剛健」という言葉がぴったりで丈夫で長持ちします。
そのような南部鉄器の中で、美しい商品を作っていると評判の高いメーカーが「及源」です。現代のライフスタイルに合わせた商品を開発しています。外国の鉄製品は厚く、重さがありますが、「及源」の商品は薄さとすっきりしたフォルムが特徴的です。その現代的なデザインは日本だけではなく、外国でも人気が出ています。日本の鉄器技術を生かし、薄く仕上げる鉄瓶や急須の美しさは、どのメーカーにも負けない自信があるそうです。


 

年月がますます箪笥を美しくさせる

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岩手は昔から林業が盛んで、良質な木材が手に入るため、木の伝統工芸品も数多く作られてきました。その中で美しさが際立っているのが、奥州市の伝統工芸品の1つである「岩谷堂箪笥」です。「岩谷堂箪笥」は桐、欅、タモ、杉の木を主に使用して作られていますが、とくに欅は北上山地に豊富にあるため、「岩谷堂箪笥」イコール欅と言っても過言ではありません。
一時期は大量生産の商品に圧倒されましたが、伝統的な家具の良さが広まり、昭和57年に通商産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けると、需要が増大してきました。
何といっても美しいのが特徴です。重厚かつ深みのある漆塗、桐、竹、花鳥、唐草、松竹など多くの模様、華麗で豪快な手打ち彫りの金具のどれもが、年月が経つにつれて深い輝きを増していきます。現在も和室だけでなくさまざまな部屋、空間に合うことが受け、多くの人々に愛されています。


 

北上市の鬼剣舞をモチーフに ユニークな鬼剣舞こけし

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鬼剣舞と書いて「おにけんばい」と読みます。鬼剣舞は北上市周辺の民俗芸能で威嚇的な鬼の面をつけて勇壮に踊ることから、そう呼ばれています。何となく怖いイメージですが、悪魔を追い払い災厄を防ぐとされています。
その民俗芸能、鬼剣舞をユーモラスに表現したこけしが、「鬼剣舞こけし」です。こけしは東北地方固有の郷土玩具であり、それぞれ地域の風土に合ったこけしが作られています。中でも一風変わったこけしなのが「鬼剣舞こけし」です。本来のこけしは丸く優しいイメージですが、「鬼剣舞こけし」は違います。何といっても角ばった顔、首は長く髪の毛があるのが特徴です。色は四季、方位と五大明王を示していて、5色あります。鬼の怖いイメージをなくすために、表情に気を使い製作されている、「鬼剣舞こけし」。民俗芸能、鬼剣舞を認知させるのに一役買っているのではないでしょうか。


 

独特の風土が生み出す工芸品は宝

岩手には、今回ご紹介した南部鉄器、岩谷堂箪笥、鬼剣舞こけし以外にも木工品、秀衡塗、浄法寺塗、織物染物、陶磁器、竹・わら細工、こけし土人形、はりこなどの伝統工芸品があります。なぜ、岩手にはこんなにも工芸品がたくさんあるのかというと、漆や鉄、森林など自然の資源があったからというのが1つの理由です。そして、最大の理由は独特の風土が影響し、冬に雪が降ると農作業ができないため、冬場に家の中でも作業ができるようにと工芸を始めたことでしょう。さらに、都市から遠いこともあり他の地域からの影響を受けることなく、独自の工芸を発達させてきました。
今でも伝統を守りつつ、現代の良い部分を取り入れながら進化している岩手の工芸品。手にする機会がありましたら、独特の風土が生み出したということを思い出してください。そうすれば工芸品に対する見方も変わるかもしれません。

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