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加賀百万石の歴史を伝える金沢の老舗和菓子

石川県金沢市は兼六園や長町武家屋敷跡・ひがし茶屋街・にし茶屋街といった情緒ただよう街並みなどがあり、多くの観光客をひきつける街です。また2015年の春には北陸新幹線が開通したことで全国各地からのアクセスが容易になり、さらに多くの観光客が訪れる街となっています。

そんな金沢は江戸時代には加賀百万石のお膝元としておおいに栄えたため、芸能や工芸などの文化が花開き、現在にも受け継がれています。現在に受け継がれた伝統文化の中でも茶道は、藩祖である前田利家がこの土地に根づかせたもので、戦国の乱世や江戸の太平の世を超えて伝えられ、今は一般市民にもなじみのものとして広まっています。茶道に欠かせない和菓子もその長い歴史の中で発展を遂げ、今も地元の人や観光客に愛される和菓子が多くあります。

今回は和菓子が愛され続ける金沢で人気の老舗和菓子についてご紹介します。


日本三大銘菓の1つ、森八の長生殿

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最初に1625年創業の老舗菓子店森八の長生殿をご紹介します。こちらの商品は打ちものともよばれる干菓子の一種、落雁です。落雁と聞くとお盆の時に仏壇に供えるものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし和菓子の中では干菓子の代表としてあつかわれ、茶会の席ではよく提供される菓子です。とくに長生殿のような上質な落雁はそのひかえめな甘さと、口に入れたとたんに崩れる食感が抹茶との相性がよく、茶席で重宝されます。

長生殿の材料は和三盆と米粉、水あめの3つだけです。この材料を伝統の割合で混ぜ、型に詰めて固めるといういたってシンプルな和菓子なのですが、その味は日本三銘菓の1つといわれ、1924年には皇室御用達にもなりました。形は長方形で色も「白」と「紅」の2種類のみとシンプルなのですが、そのシンプルさがかえって味わいを引き立ててくれます。


水あめのイメージを覆す俵屋のじろあめ

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次にご紹介するのは金沢で一番古いあめ屋である俵屋のじろあめです。1830年創業の俵屋の看板商品じろあめは、米と麦芽だけを使ってつくり上げる水あめ状の商品です。水あめと聞くと駄菓子や調味料としてのイメージが強いですが、こちらのあめの深い甘みはそんなイメージを見事に覆してくれます。

その深い味わいを出す秘密は砂糖や添加物を一切使わず、時間をかけてつくり上げることにあります。水を含ませて蒸した米を麦芽と一緒に混ぜ合わせて糖化させることで、穀物本来の甘みを存分に引き出します。この糖化の工程では温度管理が重要で、職人の経験と勘がものをいいます。この糖化した液を濾して余計な水分を釜で蒸発させることで、この商品は完成です。この完成前の仕上げの段階でもあめの硬さを決める蒸気をとめるタイミングに熟練の目が必要なるなど、職人の技が随所にいかされています。


店ごとの味わいを楽しめるきんつば

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最後にご紹介するのはきんつばです。名前の由来は刀の手元につける「金鍔」からと言われ、昔は刀のつばの形どおり丸いものが多かったのですが、今では四角い形のものが一般的になっています。きんつばは金沢の和菓子の中でもとくに人気でさまざまな店でつくられ、店それぞれの味わいを楽しめます。そんなたくさんある店の中でも全国にファンがいることで有名なのが中田屋です。

寒天でつぶ餡を四角く固め、薄く水で溶いた小麦粉を表面に塗って鉄板で焼き上げるきんつば。材料が少ないので素材の質の高さが商品のできばえを左右します。そのため中田屋では材料に強いこだわりを持っていて、餡には北海道産の極上大納言小豆を、寒天には京都丹羽地区の丹羽寒天を使用しています。また製法も1934年の創業時から変わらずに受け継いで「中田屋の味」を守り続けているのです。


金沢の老舗和菓子店をめぐる旅はいかが?

金沢の長い歴史の中で淘汰をまぬがれて発展し、現在に伝わる伝統和菓子をご紹介しました。長い歴史と伝統がある街だけに、それぞれに文化と伝統を感じさせる和菓子ばかりでしたね。

近年ではインターネットによるオンラインショッピングが盛んで、今回ご紹介した老舗和菓子の数々もお取り寄せが可能なものが多くあります。しかしご紹介した店の本店の中には創業当時の店構えを残したところも多く、店舗からも金沢の和菓子の伝統を感じとれます。また店の奥で菓子を製造するところが多く、味だけでなく音や香りなど五感を使って菓子を味わうことができたり、森八の本店では落雁の手づくり体験ができたりと店舗に行かないと経験できない楽しみもあります。金沢を訪れる際には観光名所だけでなく、老舗和菓子店の本店をめぐるプランもたててみてはいかがでしょうか。

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