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農産品などのグルメだけでなく、伝統工芸品も豊富な宮崎県

宮崎県と聞くとどんなイメージが思い浮かびますか?温暖な気候を利用してつくられるマンゴーなどの果物や、ピーマンや玉葱などの農産品。または地鶏や宮崎牛などの畜産品や、黒潮の影響をうける海でとれるアジやサバなどの水産品と、食材が豊富なイメージが強いのではないでしょうか。しかし豊かな自然を持つこの地域には、地元の原料を使って平安時代から生産されている宮崎手漉和紙や生産地の土を独自に調合して使う日向焼など、自然の恵みを利用してつくられる伝統工芸も多くあります。また古来、薩摩や琉球、高句麗などからさまざまな技術が伝えられたため、独自の発展をとげた伝統的な技術が多く残っている地でもあります。

宮崎県にはさまざまな伝統工芸品があるのですが、今回はそんな伝統工芸品の中でも木材を使ってつくられる宮崎ロクロ工芸品と宮崎漆器、かるいの3つをご紹介します。


木材の個性を活かした唯一無二の木工品・宮崎ロクロ工芸品

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自然豊かな宮崎県は農業だけでなく、林業も盛んで杉の生産では日本一の量を誇ります。そのため古くから木工業にたずさわる人が多く、とくに都城は木材の生産だけでなく加工・流通の拠点でもあるので、木刀や大弓などの伝統工芸が今に伝わっています。中でも宮崎ロクロ工芸品は日常使いができる製品が多くあり、全国各地に愛好家がいるほどです。
全国の伝統工芸の中には、一つの製品が完成するまでの工程をそれぞれの作業を専門とする職人が分担して行うものも多いのですが、この宮崎ロクロ工芸品は材料選びから仕上げ・塗りの工程までを一人の職人の手で行います。そのため木の種類や木目など材料の個性を活かした製品がつくられるのです。また工程の中で使われる工具までも職人自らつくるというこだわりがあり、その一貫した姿勢があらわれる製品は木目のぬくもりが感じられると評判です。


 

琉球から伝わった技術と宮崎特有の気候が生み出した・宮崎漆器

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次にご紹介する宮崎漆器は戦後に沖縄から伝わった技術をもとにしたものなので、伝統工芸品の中では歴史的に新しいものとなります。しかし古くからの伝統工芸である琉球塗の技術を受け継ぎ、南九州特産の木材を使い、宮崎特有の気候が作り上げる貴重な工芸品です。
材料となる木にはケヤキやミズメ、イスといった南九州に自生するものを使い、盆や茶托などの日常品から硯箱や飾盆など装飾が美しいものまでさまざまな製品がつくられています。宮崎漆器に見られる美しい模様には、漆に顔料を混ぜたものを堅練りして薄くのばし、模様を切り抜いて貼りつける「堆錦(ついきん)」という琉球漆の加飾技法が使われています。また高温多湿な気候の宮崎県は漆の乾燥に適した土地であるので、朱塗りの色が特に美しいと言われています。このように琉球と宮崎の良いところが入った漆器なので、別名「琉宮塗」ともよばれます。


 

山間部の生活から生まれた伝統工芸品・かるい

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最後にご紹介するのは天孫降臨の地と言われる高千穂地方に古くから伝わる生活用具かるいです。この工芸品は竹を編んだ背負いかごで、昔は使う人それぞれの背中に合わせてつくられていました。名前の由来はこの地方の言葉で背負うという意味の「かるう」や「かろう」が変化したものと言われています。
かるいの材料となるのは真竹で、その選別から乾燥、割りや竹ひごづくりなど編む前の工程だけでも長年の経験や勘を必要とします。さらに竹ひごを編んでいく工程では、節をよけながら編んで形を整えることやふちを美しくも堅牢に巻くなど、職人の技術が重要となります。
昔からつくり続けられた背負いかごとしてのかるいは、山間部で荷物を運ぶためのものとして使われていたので大きなものが多いのですが、最近ではお土産用にと郵便受けや装飾として使える小型のものが売られています。


 

貴重な技術を見に宮崎県へ行ってみませんか?

今回ご紹介した宮崎ロクロ工芸品・宮崎漆器・かるいという3つの工芸品は、その歴史も経緯もそれぞれ違いますが、土地にはえる木材を使い職人の技術や経験によって支えられているという部分では共通するものがあります。また全国各地の伝統工芸品に共通して言えることですが、次代の継承者が少ないという面でも共通点があり、数十年後にも確実に手に入れられるとは限らないものばかり。もしかしたら今しか見られない技術となってしまうかもしれないのです。
宮崎県にはご紹介した3つのほかにも経済産業大臣指定伝統的工芸品である都城大弓や、昔ながらの手作業でつくられる宮崎手紬などさまざまな工芸品があります。旅行される際には美味しい料理を食べて美しい景色や名所を訪ねるだけでなく、人々の手によってつくり続けられてきた伝統工芸品にもぜひ目を向けてみてくださいね。

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