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新たな魅力を発見しよう 奈良の特産品

紀伊半島内陸部にあり、古くは先史時代から日本の歴史・文化を築いてきた奈良。県内には古墳や史跡、神社仏閣など、この国の礎となった貴重な文化遺産が数多く、世界遺産や国宝に指定されている建築物や美術工芸品は数えればきりがありません。また、自然に目を向けると北西部には盆地、北東部には高原、南部には山地が広がっており、それぞれに適した作物が古くから栽培されてきました。
特産物とは、その土地に根ざし、気候や風土、歴史に育まれた産物のことです。豊かな自然に恵まれ古より人々が暮らしてきた奈良の街には、多くの特産品が生まれました。奈良といえばまず寺社巡りを思い出す方も多いと思いますが、特産品に目を向けてみると新鮮な発見があるはずです。今回は、数ある特産品の中から「奈良漬」「柿の葉寿司」「三輪そうめん」についてご紹介します。


 

奈良だからこそ生まれた伝統の味 奈良漬

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奈良の漬物といえば、塩漬けの野菜を酒粕で熟成させた奈良漬が有名です。奈良漬の歴史を紐解くと、この土地の歴史や風土と密接に関わっている食べ物ということがよく分かります。
平安時代から日本の酒造りの中心的役割を担っていたのが、各地の大寺院でした。そしてその中でも、奈良の寺院でつくられた「南都諸白」は高い品質を誇っていたのです。これは、奈良の気候や地形が米の栽培に適していたことと無関係ではありません。質の高い酒粕を使って、蒸し暑い奈良においても長期保存が可能な漬物をつくる…。奈良漬は、奈良だからこそ生まれた伝統食なのです。
近鉄奈良駅前に伸びる東向商店街に本店を構える山崎屋は、奈良漬を扱う老舗中の老舗。サブレやクッキー、アイスなど、奈良漬を使ったスイーツも充実しているので、ぜひお好みの味を探してみてください。


 

知恵と工夫の結晶 柿の葉寿司

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奈良県で生産される多くの果物の中でも有名なのが柿です。奈良県は和歌山県に次ぐ全国第二位の柿の出荷量を誇っており、その7割は五条・吉野地区で生産されています。柿の葉寿司は、そんな五條市や吉野町で親しまれ続けてきた伝統食です。
柿の葉寿司が生まれたのは江戸時代のことと言われています。当時、奈良から和歌山を通り海まで注ぐ吉野川・紀ノ川は水運として重要な役目を果たしていました。様々な物が運ばれる中、魚などの生ものはどうしても傷んでしまいます。そのため魚を塩漬けにし、殺菌作用や防腐作用が高い柿の葉でこれを包んだことから柿の葉寿司は生まれました。山里で食べる貴重な海の幸はこの地域に住む人々のごちそうで、夏祭りなどのハレの日によくつくられたと言います。柿の葉寿司は、まさに先人たちの知恵の結晶であると言えるでしょう。


 

日本のそうめんのルーツはここにある 三輪そうめん

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奈良県北部に位置する桜井市は縄文・弥生土器や古墳が数多く残る、古都奈良の中でも特に歴史が深い街です。そしてこの桜井市を中心とする三輪地方は、そうめん発祥の地とも言われています。
伝承によると今から1200余年前、我が国最古の神社と言われる大神神社第12代宮司の次男・穀主(たわぬし)が、この地に最も適した作物が小麦であることを知り、種を蒔かせ粉を挽き、それを原料につくったものがそうめんの始まりとされています。乾燥させて保存できるそうめんは飢饉において多くの人を救ったといいます。またお伊勢参りの宿場町として栄えた三輪の「三輪そうめん」の名は瞬く間に広まり、奈良のみならず全国にその製法が伝わったそうです。
三輪そうめんは気温の低い冬、11月から3月の間生産され、細くてもコシが強いのが特徴です。日本一と謳われたその味をぜひ実際に味わってみてください。


 

特産品から奈良の歴史を紐解こう

今回ご紹介した3つのほかにも、奈良には多くの特産品があります。
古くから稲作や酒造りが盛んであったことが奈良漬誕生の素地になったことはすでに述べたとおり。奈良盆地を中心に栽培される米「ヒノヒカリ」や地酒の数々は今も奈良の特産品として生産され続けています。雨の少ない奈良盆地では多くのため池がつくられ、米のほか野菜や花、金魚や錦鯉の養殖に利用されてきました。また、奈良の養蜂は日本書紀にも登場するほど歴史が深く、高品質な蜂蜜が生産されているほか、梅やいちごなどの果物も柿とともに盛んに栽培されています。弘法大師が唐から持ち帰ったとされる大和茶も古くから高原部で収穫されてきました。
ひとつひとつがそれぞれの歴史を持ち、人々の暮らしと結びついている奈良の特産品。神社仏閣や美術品だけでなく、このようなものから奈良を見つめてみるのも面白いかもしれません。

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