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大陸伝来の遺産を多く残す地 佐賀の特産品

佐賀県は九州の北部、および西部に位置し、人口と面積はともに全国で42番目という決して大きくはない県ですが、古くから大陸との交流が盛んで、その歴史を今に伝える遺跡が数多く存在しています。また北にはリアス式海岸の玄界灘、南には干潟の有明海というおのおの全く異なる特徴を持つ海を有し、1000m級の山を持つ脊振山地や多良岳山系、それらに挟まれる丘陵地帯、そして広大な佐賀平野というように変化に富んだ豊かな自然に恵まれています。また、佐賀と言えば焼き物の地。豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に多くの大名が朝鮮半島から陶工を連れ帰り、これらの陶工によって日本最初の陶器が焼かれました。これが有田焼や伊万里焼の発祥と言われています。
遺跡に焼き物、そして農畜産物や海産物など、地理的環境や歴史風土を大きく反映している佐賀の特産品。今回はその主なものをいくつかご紹介します。


 

ブランド牛として名高い 伊万里牛

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佐賀県のブランド牛、「佐賀牛」。その名前で呼ばれるのは、仙台牛に次ぐ厳しさの基準を満たした牛だけという最高級牛肉です。日本食肉格付協会の定める肉質等級のうち4等級および5等級のBMSNo.7以上で、かつJAさが管内で生産肥育された黒毛和種、という牛のみに送られる称号が、佐賀牛です。基準にわずかでも満たないものは佐賀産牛と呼ばれ区別されますが、このうちJA伊万里管内において飼育された佐賀牛、佐賀産牛が特に伊万里牛と呼ばれています。JAの管轄地域区分の関係でこのように呼び方が分けられていますが、今では伊万里焼とともに伊万里のブランドの1つとして、地位を得ています。
きめ細かく柔らかな肉質を持ち、甘みと風味が抜群の伊万里牛はハンバーグにしても美味で、九州のご当地グルメグランプリでも常に上位にランクインするほどの人気を誇っています。


 

特別な地形ときれいな海水がおいしさの秘密 呼子のイカ

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佐賀県の最北部に位置し、玄界灘に面する街呼子(よぶこ)。漁業が盛んで、その海産物を賞味するために全国から観光客が訪れる街です。とりわけ人気なのは、活き作りのイカ。呼子のイカは、地元では「ヤリイカ」と呼ばれていますが、これは他地域で言うところのケンサキイカのことで、ヤリイカとは別のものです。身が厚くて甘みがあり、食べごたえ抜群のおいしさです。
対馬海流と黒潮にもまれたイカは、水揚げされるとすぐにイカ料理を提供する店舗のいけすに運ばれます。イカはストレスを感じるとアンモニアを発散し、自身の味を損ねてしまいますが、呼子のいけすはポンプによって呼子湾の海水を汲み上げては戻し、還流させているため、釣り上げられる前とほぼ同じ環境が保たれるので、イカがストレスを感じないのです。呼子のイカがおいしい秘密は、ここにあります。


 

日本茶発祥の地で今も続く伝統の味 うれしの茶

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実は佐賀県は日本茶の発祥の地。平安時代末期、臨済宗の開祖栄西が唐から持ち帰った茶を栽培するために選んだのが、佐賀だったのです。その後室町時代になってから、今度は明から渡ってきた陶工が南京釜を伝え、現在の嬉野市を中心に栽培と製法が広まった「釜炒り茶」が、うれしの茶の始まりと言われています。茶葉がグリッと丸いことから「玉緑茶」「グリ茶」とも呼ばれています。現在では「佐賀県または長崎県において生産された原料茶を100%使用し仕上げ加工した茶」が、うれしの茶の統一銘柄とされています
嬉野市周辺は昼夜の寒暖差や日照量が茶の栽培に適していて、濃い香りとまろやかな味を持つうれしの茶は今や一大ブランドとなっています。伝統的な釜炒り茶は生産量が減って希少性が高くなっていますが、新しい技術によって現在の主流になっている蒸し製玉緑茶も清涼感のある後味で人気があります。


 

独自の歴史と風土を活かした佐賀の特産品

伊万里牛は、言わずと知れた名牛の但馬牛がルーツではありますが、その子牛が独自の飼料や佐賀の緑豊かな環境によって育まれ、神戸牛や松阪牛にも劣らない最高級牛となります。呼子の漁業は、大陸棚が広がり対馬海流が流れる玄界灘の恩恵を存分に受けており、さらにご紹介した通り湾の形状やきれいな海という恵まれた環境も、全国には類を見ないものです。茶の栽培方法や陶器の技術は朝鮮半島から伝わったもので、佐賀が発祥地となり、日本全国に広まりました。有明海では牡蠣やワタリガニ、またムツゴロウのかば焼きなど干潟特有の海産物を郷土料理として楽しむことができます。
このように佐賀の特産品は、その独自の土地環境や歴史文化によってもたらされたものが多く、味を楽しむことはもちろん佐賀特有の風土を感じることもできます。佐賀を訪れた際には、ぜひ現地でしか賞味できないものをお楽しみください。

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