ab77bdd1

高知の気候風土が育んだ特産品の数々

高知県は、日本最後の清流と評される四万十川をはじめとする多くの清流があり、三嶺や笹ヶ峰といった山岳も豊富で山地率は89%にもなります。さらに海にも面しているという気候風土に恵まれているため、水産物や農産物といった特産品が多くあり、かつお、青のり、文旦や小夏などの柑橘類、土佐酒などが有名です。そんな恵まれた気候は、それぞれの地域に根差した土佐の工芸品も生み出してきました。
土佐の優れた自然素材によって育まれた工芸品は長い歴史の中で匠の技が磨かれ、現在に受け継がれてきました。それは地元だけではなく日本で、世界で高い評価を受けています。今回は土佐を代表する工芸品である「土佐和紙」、「土佐打刃物」、「土佐硯」の3つをご紹介します。どれも、土佐の恵まれた気候や貴重な原料があったからこそ生まれた逸品ぞろいです。


 

江戸時代から守り継がれる製法、土佐打刃物

b84c8c_cff3440cf09a4070b80c5dada6224418

土佐の高知は昔から手打ちの刃物が有名で、日本三大刃物の一つとなっています。その歴史は古く400年以上前、土佐に刀鍛冶が京都から移り住んだことが発祥といわれています。土佐藩は林業が盛んだったため刀鍛冶は需要とともに鎌鍛冶へと変わっていき斧、鋸、鉈などの刃物も作られるようになりました。その後、林業の職人が全国に広がると同時に土佐打刃物も名が知られるようになっていきました。
江戸時代から伝わる製法は現在に受け継がれてきました。原料である鉄は商品に合わせて厳選されます。鉄は匠の技によって丹念に打ち延ばされていきます。打ちながら鍛えていき歪みをとることで手打ちならではの逸品が出来上がります。現在は林業に関わる刃物のほか、家庭用和包丁やアウトドア用ナイフなども作られています。土佐打刃物はその切れ味、耐久性、研ぎやすさによって全国的な人気を得ているのです。


 

恵まれた気候風土により生まれた、土佐和紙

img_main05

土佐には澄んだ川と良質な楮が揃っていたため、質のいい和紙を作ることができました。土佐和紙は古くから様々なバリエーションがあり、例えば土佐七色紙は、土佐特有の黄紙、浅黄紙、桃色紙、柿色紙、紫紙、萌葱紙、朱善寺紙の七色で原料は楮(こうぞ)や雁皮(がんび)など天然の素材で染め上げられています。また、典具帖紙(てんぐちょうし)は楮を原料とし、薄さわずか0.03mmしかないため木版画の版下や画家の透き写しなどに使われてきました。さらに、タイプライター用として輸出もされていました。
その歴史は古く、平安時代から製法が受け継がれて、明治時代には全国一の生産規模となりました。その後停滞していましたが、和紙を様々な製品にする努力が続けられました。その結果、最近では和紙の調湿性や自然原料で身体に害が無いという特徴を生かした土佐和紙壁紙が注目を集めています。


 

硯に最適な原石から生み出される、土佐硯

img_tosa13

高知の特産工芸品である土佐硯。古くは室町時代の文献に登場します。文才があり能書家であった関白一条公が、良質の硯石を見出して愛用したとの話が伝わっています。さらに昭和41年に書家の新谷健吉氏が高品質な原石を再発見したことにより、土佐硯の生産が始まりました。その原石は金星銀星がみられ蒼黒色系の柔らかい肌ざわりで、中国の有名な硯にも劣らないほどのものでした。
土佐硯は、粒子が細かく磨墨に優れていて、細かく麗しい墨色の冴えが高く評価されています。商品の種類も「長方硯」「石蓋付」「薫風硯」「海天旭日硯」「楕円硯」「天成硯」「円硯」と豊富にあります。特に自然の石を活かした天然硯は安定した人気があります。質のいい原石を研磨し、一つ一つ丁寧に手作業で仕上げられた土佐硯は、愛硯家に日本一の書道硯と言わしめるほどの出来栄えとなっています。


 

高知には素晴らしい工芸品がたくさんあります

清流と豊富な原料により1000年以上の歴史を持つ「土佐和紙」。温暖多雨な気候により林業が盛んになり、それに伴い発展した「土佐打刃物」。近年、上質な原料が再発見されたことによりにわかに注目を集めている「土佐硯」。どれも、高知の気候風土でなければ生まれなかった工芸品ばかりです。
高知には他にもまだまだ特産品があります。高知の海の恵みから生まれた「珊瑚加工品」は、土佐沖で取れる品質の良い「赤サンゴ」や「桃珊瑚」「白珊瑚」などが使われています。また、豊かな森林からは竹製品の竹筒、カゴ、すのこ、草履などや、魚梁瀬杉の間伐材を原料としたうちわ、皿、座布団などの木工製品が生み出されています。どれも匠の技が光る特産品ばかり。高知というと海産物や農産物ばかりが目立つ傾向にありますが、高知を訪れたら素晴らしい工芸品の数々にもぜひ注目してみてください。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP