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雄大な自然に抱かれる熊本県の郷土料理

九州のほぼ中央部に位置する熊本県は、その地理的な要素もあって古くから九州の行政や経済、交通の中心地となってきました。肥後54万石の歴史を感じる伝統があちらこちらで見られる、日本有数の文化県でもあります。世界でも最大級のカルデラ、阿蘇をはじめとして雄大で豊富な自然を有し、水がきれいなことでも知られています。

そのような土地で育つ植物や動物は生き生きと生命力にあふれ、熊本県の郷土料理を構成する重要な源となってくれます。今回はそんな熊本の郷土料理から、今や日本中で知られることとなった馬刺し、1度は絶滅したにも関わらずたった1枚の油絵とわずかな文献から復元された地鶏、そしてバリエーション豊かな汁物料理をご紹介していきます。


本場で再確認する、馬刺しの魅力

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今でこそ全国的にも広く知られている日本食馬刺しは、元々は熊本や長野の郷土料理です。切り口がきれいなピンク色なので、桜肉とも呼ばれます。豊臣秀吉の家臣加藤清正が肥後(現在の熊本県)を治めていた時代、食糧難対策で馬肉を広めたのがきっかけになっているのだとか。熊本ではスーパーの精肉コーナーにも並ぶほど一般的に浸透している食べ物で、飲食店でも必ずと言っていいほど見かけるメニューです。

この馬刺しの老舗菅乃屋は、創業から200年以上の歴史を持っていて、徹底的な衛生管理のもとで馬刺しの生産を行っています。熊本に4軒、福岡の博多に1軒の店舗を構えているので、九州を訪れたなら本場の馬刺しを味わってみてはいかがでしょうか。


時を経てよみがえった幻の地鶏、天草大王

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熊本県で生産されている地鶏、天草大王。その名にふさわしい大きな体を持ち、体高は90㎝、体重は7㎏に達するものもいるほどです。肉質はジューシーで、やわらかいながらもモチモチとし程良い噛みごたえがあります。

この天草大王は、明治から大正にかけてよく飼育されていましたが、大型なのでエサの費用もかかり、肉用種であるため産卵率も低いということから次第に繁殖に力が入れられなくなり、絶滅してしまいました。そのため、1976年から復元のための研究が始まったのです。1992年から基礎鶏であるランシャン種にシャモと熊本コーチンを交配させることを繰り返して、2000年についに天草大王の復元に成功。このことから「幻の地鶏」とも呼ばれています。


バリエーション豊かな味、だご汁

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だんごのことを「だご」と呼ぶ熊本では、必然的にだんご汁も「だご汁」となります。熊本や大分の郷土料理で、その名の通り平べったいだんごが入った汁です。米の代用として食された料理、また農業の繁忙期に調理の時間節約を狙って考えられた料理、と言われています。同じ熊本でも地方によって個性があり、たとえば有明地方であれば貝類や鶏肉が豊富に入ったすまし汁風、阿蘇地方であれば味噌ベースの汁に豚肉とゴボウやニンジン、ダイコンなどの山の幸をふんだんに入れた豚汁風となっています。

特に阿蘇地方では、市内の西側赤水から東側波野に至る国道57号線沿いやその周辺地域にだご汁を提供する店が並び、「だご汁街道」と呼ばれて親しまれています。


外れなし!自然の恩恵たっぷりの熊本郷土料理

熊本の郷土料理をご紹介してきました。どれも熊本の豊かな自然の恵みを存分に活かしたものばかりだったのではないでしょうか。他にも白菜や人参、エビ、豚肉などのたくさんの具を鶏がらスープで食べられる「太平燕」、れんこんに辛子味噌を詰めて揚げる「辛子れんこん」、とうふやこんにゃくなどに田楽味噌を塗って炭火であぶる「高森田楽」、生のさつまいもを使って簡単に作れる「いきなり団子」など、たくさんの郷土料理があり、やはりどれも熊本の海の幸、山の幸をふんだんに活かした素晴らしいものぞろいとなっています。

熊本城をはじめとして、貴重で見ごたえのある文化遺産も数多く残る熊本県。訪れる際には、ぜひ食を楽しむ旅もお忘れなく。

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