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地元の人に愛され続ける福岡の郷土料理3選

山陽新幹線の終着点である博多駅を有し、九州と本州とをつなぐ玄関口としての役割を果たしてきた福岡県。櫛田神社や太宰府天満宮、日向神峡などパワースポットの宝庫であり、九州の中でも観光地として特に高い人気を誇っています。その人気を決定づけているのが、個性的なグルメの数々。今では全国的にすっかり定着したもつ鍋や明太子、豚骨ラーメン、うなぎのセイロ蒸し、博多地鶏など、バラエティに富んだ料理や食材は、訪れる人を引きつけて止みません。
しかし、その種類の多さから、まだまだ一般的に知られていない食べ物が多いのも事実。地元の人にはお馴染みでも、外から見たら驚かずにはいられない、ユニークな食べ物がたくさんあるのです。そんな知る人ぞ知るご当地料理もあれば、これも福岡の郷土料理だったのかと驚く意外なものまで様々。幅の広い福岡のソウルフードを三つご紹介します。


 

筑前煮は福岡のおふくろの味だった! がめ煮

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いまやポピュラーな家庭料理として全国に定着した筑前煮。実はもともとの名前は「がめ煮」といい、福岡で生まれた郷土料理なのです。鶏肉と人参、ごぼう、里芋、たけのこなどを一緒に炒めて煮込んでできあがり。福岡の人々にとっては懐かしいおふくろの味なのです。お正月などのおめでたい席で食べられる縁起料理でもあり、穴がたくさん開いていることから「先が見通せる」とされ、縁起の良い食材であるレンコンが使われます。
ところで、どうして「がめ煮」という名前になったのでしょうか。由来は色々あるようですが、一説には江戸時代の朝鮮出兵の際、兵士たちが「どぶがめ(スッポン)」と他の材料をごった煮して作った「亀煮」からきているとされています。また、博多では「色々な材料を混ぜ込む」ことを方言で「がめ込む」と言うため、そこからきているとも言われています。


 

新鮮なサバの贅沢な味わい ごまさば

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福岡の郷土料理で絶対にはずせないもの、それが「ごまさば」です。でもスーパーで切り身で売られている、黒い斑点模様のサバのことではありません。ここでいう「ごまさば」とは、新鮮な生のマサバを刺身にして、甘辛の特製ダレに漬込んで食べる、福岡の人々にとってのソウルフード。九州特有の甘口醤油にゴマの風味が混ざり合い、サバの食感は滑らかで臭みもなく、ご飯のお供に最高。日本酒との相性も抜群です。
そもそも、足の早いサバを生で食べられるということが驚きですが、それには理由があります。一つには、博多は漁場が近く、獲れたサバを半日以内に食卓に運ぶことができるということ。それに加えて、日本海側で獲れるサバは、太平洋側で獲れるものに比べ、アニサキスという寄生虫が刺身部分に移行しにくいことがあります。様々な条件に恵まれた福岡だからこそ可能になる一品なのです。


 

福岡の朝ご飯には欠かせない おきゅうと

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黒こんにゃくに似た見た目にモチモチした歯ごたえ、ツルンとした喉越しの不思議な食べ物「おきゅうと」。主に福岡県の福岡市で作られている海藻加工食品です。エゴノリとイギスという海藻をブレンドして煮溶かしたものを小判状に薄く引き伸ばし、冷やして固めたもの。それがクルクルと丸められて、パック詰めにされてスーパーの店頭に並びます。福岡市民の朝食には欠かせない、関東人にとっての納豆のような存在だそうです。短冊状に切って、それぞれの家庭によるお好みのタレで和えて食べます。タレは胡麻醤油やポン酢など様々。おかずとしてだけでなく、お酒のおつまみとしても人気で、居酒屋に行くと出してもらえることもあります。
おいしくて栄養があり、ヘルシーな「おきゅうと」。江戸時代の大飢饉の時に非常食となり、人々の命を救ったそうです。福岡に行ったらぜひ食べてみてください。


福岡ならではの魅力的な郷土料理

福岡の人々のソウルフードともいうべき郷土料理を三つご紹介しました。筑前煮のように、ポピュラーなおかずとして私たちの食生活に定着しているものが、本来「がめ煮」という名前で一部の地域の郷土料理だったというのは驚きですね。
今や首都圏でも地方の郷土料理を提供するお店がたくさんあるので、もともと福岡に行かなければ食べることができなかったものが、誰でも手軽にその味を経験できるようになりました。それでも、ご紹介した「ごまさば」は必ず新鮮なサバを用いる必要があり、東京の一部のお店でしか食べることができないようです。郷土料理は、美味しいだけではなく、それぞれの地方の産物が無駄なく上手に使われている点で、とても貴重なのですね。
なお、「おきゅうと」は通販でも手に入ります。忙しくてなかなか旅行に行けない方は、利用してみては?

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