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京の伝統と文化が感じられる京野菜

古い歴史を有する都・京都。長い歴史の中でつくられた伝統はさまざまな形で残っています。食の面では毎日の食卓を彩ってきたおばんざいが有名で、海から遠い京都ではたくさんの野菜を使った料理が頻繁に食卓に登場しました。とくに昭和の初めまで近郊に農地が広がっていて産物は主に京都市内で消費されていたこともあり、京都市や近隣で生産された京野菜を使った料理が多く残っています。
京野菜の中には古くは平安遷都以前から栽培されていたといわれるものもあるほど伝統的な野菜ばかりです。そんな京野菜は大きく分けて夏野菜と冬野菜に分類されます。今回は初春の食卓に欠かせない冬野菜のうち、京の伝統野菜の中でも代表格の九条ねぎと今も多くが京阪神で栽培されている壬生菜、古くから京都の豊かな地下水を利用して栽培されている七条せりといった、1~2月に旬をむかえる3つの野菜をご紹介します。


 

ねぎ本来の旨みを味わえる九条ねぎ

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京野菜の中でも全国的に有名なのが九条ねぎです。関西で好んで食される葉ねぎ(青ねぎ)は一般的に細身のものが多いのですが、九条ねぎは関東で多くみられる根深ねぎ(白ねぎ)を少し細身にしたくらいのものが多く、しっかりとした甘みと苦みを感じることができます。そのため小口に切って薬味として食べるほか、すき焼きなど鍋物にしても旨みが残ります。
このねぎの起源は諸説ありますが、711年に京都で栽培が始まったという言い伝えがあったり、「続・日本後記」には九条村でねぎが栽培されているという記述があったりと大変歴史の古い野菜のようです。
京野菜の代表格として京都だけでなくほかの地域でも比較的手に入りやすくなった九条ねぎは、近年では全国各地のラーメン店で使われています。それも麺がみえなくなるほどにたくさん使ったものが登場するなど、ねぎ本来の味を楽しめるものが多いようです。


 

丸い葉とほのかな辛みが特長の壬生菜

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壬生菜は京菜ともよばれる水菜と同じ仲間の野菜です。しかし現在全国のスーパーで多く売られている水菜とは違い葉にギザギザとした切込みがないので丸葉水菜ともよばれ、ほのかな辛みがあるところも特徴です。名前の由来は京都市内の壬生地区で栽培されていたことにあります。この野菜も歴史が古く、江戸後期に編纂された「成形図説」には早くも壬生菜という名前が出てくるほどです。
近年はサラダなどで使えるように生食でも美味しい茎の細いものも出てきていますが、もともとはしっかりとした茎を持っている壬生菜。そんな茎や葉を丸ごと美味しく食べる方法として漬物が古くから人気です。漬物は京都特産の千枚漬けの青味として使われるほか、3センチほどに切ってシャキシャキとした歯ごたえを楽しみます。また細かく切ってじゃこやショウガなどと和えるとご飯のお供にぴったりの一品になります。


 

香りと風味が堪能できる七条せり

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七条せりは京せりともよばれる野菜で、古くから京都市下京区の西七条で栽培されていたことから、このように呼ばれるようになりました。せりはきれいな水があるところでないと育たないのですが、この西七条周辺は豊富な地下水に恵まれた地域だったので多くのせりが栽培されました。
この野菜も九条ねぎ同様に長い歴史を持っていて、838年に書かれた文献にはせりの栽培が書かれています。約300年前には地下水を利用して今のような湧水栽培がおこなわれていたといわれていて、現在でも西九条や近隣の南区では昔ながらの「芹田」と呼ばれる方法で栽培を続けている農家があるそうです。
香りと風味がよいせりは一般的に椀物の薬味や鍋物のあしらいなどに使われることが多いですが、この七条せりはおかずとしてもおすすめです。とくにおひたしやごま和えにすると、歯ごたえと風味が残って美味しく食べられます。


 

産地の水と空気を感じられる環境で京野菜を楽しみましょう!

初春の食卓を彩る3つの京野菜を紹介しましたが、どれが気になりましたか?今回ご紹介した3つのほかにも30種類以上の野菜が京の伝統野菜として定義されていて、京都市民だけでなくたくさんの人々から愛されています。20世紀半ばには大量生産・大量消費の風潮に合わず生産が減少した野菜もありましたが、今では京都府をあげて美味しく栄養価も高い京野菜を食べてほしいと生産・消費の拡大を目指しています。近年では京野菜を中心としたマルシェが開催されたり、京野菜をメインとしたイベントが開催されたりなど楽しんで参加できる活動が増えています。
現在はインターネットなどを使った通販でお取り寄せもできる京野菜が多いようですが、伝統野菜をはぐくむ水と空気を感じながら食べるとさらに味わいが増すもの。ぜひ伝統の野菜たちに会いに京都に足を運んでみてくださいね。

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