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さまざまなブランド 進化し続けるイチゴたち

老若男女に愛されていて見かければ購入する人も多い果物、イチゴ。流通上は見た目の通り果物とされていますが、植物上の分類は野菜であること、普段食べている赤い部分は果実ではなく、表面にある黒いつぶつぶが本当の果実だという事実はあまり知られていないのではないでしょうか。

イチゴの歴史は古く、石器時代に野生のイチゴを食べていたのが始まりです。そして、200年前にオランダで2種類の野生のイチゴが掛け合わされ、現代のようにおいしいイチゴが生まれました。

現在、さまざまなブランドのイチゴが販売されていますが、こんなにも多くのブランドができるまでには、農家だけでなく県全体でさまざまな研究、品種改良をしてきた過程があります。今回は、そんな人々の努力で生まれたイチゴのブランドから、「とちおとめ」「とよのか」「あまおう」をご紹介します。


生産量日本一栃木生まれのとちおとめ おいしさの秘密

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「とちおとめ」は名前の通り栃木で生まれたイチゴです。栃木県はイチゴの栽培にとても力を入れていて、日本一の生産量を誇っています。

栃木県でイチゴの栽培が始まったのは大正時代と言われており、さらに昭和20年代から30年代にかけて広まっていきました。そんな中1996年に開発されたイチゴが「とちおとめ」です。それまでは、「女峰」という小ぶりで光沢がある、淡い赤色のジューシーなイチゴが人気でした。その後よりおいしいイチゴを作るために、栃木県農業試験場栃木分場で「女峰」と久留米のブランドイチゴ「とよのか」を交配し、さらに「栃の峰」という栃木生まれのイチゴを掛け合わせるという経過をたどり「とちおとめ」が生まれました。そのようにして生まれた「とちおとめ」は、果肉がしっかりしていて傷みにくい、大粒で甘みが強く果汁がたっぷりで酸味が少ないという優れた特徴を受け継いだイチゴなのです。


イチゴの王道 久留米生まれのとよのか

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「とよのか」は大粒で適度な酸味とほどよい甘みがあり、イチゴらしいおいしさがあると言われています。そんな「とよのか」は、農林水産省野菜茶業試験場久留米支場で「ひみこ」と「はるのか」という久留米のイチゴを交配して生まれました。暖かい地方で栽培されるのに適したイチゴです。

「とよのか」が生まれるまでにはさまざまな過程がありました。それまで久留米では「とよのか」の父と言われている甘みが強くて大きい「はるのか」というイチゴを主に栽培していました。しかし、「はるのか」の変形したイチゴができやすく、柔らかい品種のため傷みやすいという欠点をカバーするために、より高品種なイチゴを開発する必要がありました。そして生まれたのが「とよのか」です。「とよのか」は期待通りに日持ちし、輸送にも耐えられるイチゴとして生産されるようになり、市場の主流ブランドとなりました。


福岡だけの特別なイチゴ あまおう

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「あまおう」は「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字から名付けられたイチゴです。栃木の「とちおとめ」と佐賀の「さがほのか」に対抗し「とよのか」の後継品として福岡で開発されました。実がしっかりしているため傷みにくく、輸送しやすいという利点から遠隔地への出荷が増えたため、今一番人気のあるブランドだと言われています。

「あまおう」の特徴は何といっても大粒なところです。大粒なのに適度な酸味で甘く感じる、バランスの整ったイチゴです。大粒で見栄えするため、贈答品としても人気があります。

「あまおう」は、全国農業協同組合連合会によって商標登録されていて福岡のみで生産されている、他県で栽培のできない特別なイチゴです。それは、これから先ずっと品種改良したイチゴにも、商標「あまおう」を使用できることにより「あまおう」というブランドが生き続けることを意味しています。


おいしいだけじゃない イチゴの小さな体に大きなパワー

イチゴは傷みやすく遠隔地まで輸送できない理由から、主に近隣で販売されていましたが、その欠点を克服しようと日持ちするイチゴの開発や傷まないような輸送方法が研究されてきました。たくさん売れて生産量が増えることにより地域が活性化するという利点から、どんどん品種改良されているのです。

今回ご紹介したイチゴの他にも多くのブランドがあります。栃木が「あまおう」に対抗するために17年という長い歳月をかけて開発した「スカイベリー」がその1つです。その後もおいしさを求めたイチゴの研究はずっと続けられています。

ビタミンCがたっぷりで5粒食べると一日の必要量が摂れる、イチゴ。風邪予防や美肌効果、発がん抑制や視力回復の効果があり、大きなパワーを秘めています。これからイチゴを食べる時に、その小さな体につまった歴史やパワーを思い出すと、今までとは違った味がするかもしれません。

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